ドッグ・ヴィル

シネマライズhttp://www.cinemarise.com/)にて。スタジオ撮影の違和感にはすぐ慣れる。カメラワークやナレーションが巧みだからだ。しかしこの巧妙さは必要以上の情報を与え、後半ではややうるさい印象。しかしこれは見るべき映画だ。ひどく演劇的だけれども、全てがひとつのフレームにも収まるほどの小さな村を自由自在にフレーミングすることができるのは映画だけだ。かつてあった「キューブ」の如く徹底的に異端ではあるけれども、人間と犬をアイロニカルに描くにはこの手法は最適だった。毎回新しい試みを見せるラース・フォン・トリアーの姿勢を評価したい。