六本木クロッシング

バイト帰りに森美術館を駆け足で。こういう行き方ができるから夜型開館というのはうれしい。またゆっくり行くと思うのでとり急ぎ《六本木クロッシング》の雑感だけ。
一言ではいい意味でも悪い意味でもデートにもってこい。現代美術の周辺的な現象までを拾いながら、アートとは何かを考えるというテーマに伴い、日常性だったりインタラクションだったり観客が作品にアクセスしやすい要素が含まれている作品が多い。異化した日常性を見せられたり、身体的な体験をもって作品を鑑賞することで、観客は確かにアートとは何なのか考え始めるに違いない。(例/深澤直人のデザイン家具、東京ピクニッククラブのピクニックコンセプト)
一緒に見る人がいればこの遊園地のような展覧会を何倍も楽しむことができるだろう。しかしあまりにも一過的な楽しみを提供する作品が多かったように思える。もう少し現代的な問題を考えるきっかけとなるような作品や、後からもじわじわと感動を誘うような作品があってもよかあったのではないだろうか。石川雷太の世界各地の紛争をそれぞれTシャツにデザインするプロジェクトや、中西夏之の静かなインスタレーション(昨年の芸大退官個展のリメイク)などの起用にその辺りのキュレイターの意識を感じることができたが、やはり森美術館としてはポップ路線は意地でもはずさないということなのか。個別の作品についてはまた後日触れていきたい。
ところでエデュケーターの杉浦幸子さんがエデュケーター候補(!?)を10人ほど携えて教育ツアー中というのに遭遇したんだけど、どうなんでしょうか。観客にとっては便乗してついて回るのも悪くないけど、あそこまで大々的にやられるとさすがに展示室に入りにくくなる気が。