CO/五十嵐靖也

H-WORKS2004-03-13

BULLET'Sにて昨晩。後輩たちがやっているイベントですが、五十嵐君のライブが面白かったので書いてみます。彼はなかなか優秀なプログラマーサウンドデザイナーで、自分が企画した「ELECTROVISTA」でもシンセサイザーMIDI信号に反応して画像/映像をコラージュ/生成するプログラムをMax/MSP/JitterでPowerBook上に組んでもらいました。
今回のシステムについては彼のBlogを参照してもらいたいが、サウンドのアウトプットと共にMac上のムービーデータないしフラクタル映像、iShight(webカム)で取り込んだライブ映像がプロジェクションされていた。画面の変化にともないサウンドにエフェクトが加わることから画像/映像のRGB情報がエフェクターのパラメーターとして利用されていることは容易に想像がつく。
その中で何が面白かったかというと、プログラムが表示されているMacのデスクトップやプロジェクターのライトに直接iShightを向けてライブ映像に利用していたことだ。だいたいMax/MSPのインターフエースなんてプログラマーが集う類のイベントでこそミラーリング/プロジェクションされるのが当たり前にはなってきているが、一般的には全く認知されてない。それをただ「PCがある風景」としてライブカメラで取り込むという行為は一見無意味にも思える。ところがライブ映像の持つ情報がRGBに変換されることでエフェクターとして驚くべき機能性を獲得することから、ラップトップミュージックでは難しい「ライブ演奏」における身体性をビジュアルを通じて意識させることにつながるのだ。これは「ELECTROVISTA」でもテーマとしていたことだ。
プロジェクターにiShightを向けるとスクリーンにその影が映し出されるというのも自分のアクションの提示という点で美しかった。フラクタル画像もだいぶバリエーションが増えていて美しい仕上がりで、隣のフィンランド人とやたら盛り上がってしまった。なんでも昔プログラマーだったらしくて、後で本人とすっかり意気投合していた模様。