フジイ・フランソワ

珍しく人に誘われての拝見。会場のギャラリー二葉は最寄駅が大井町線or浅草線中延駅とちょっとアクセスが悪いけど、なかなかいいスペース。民家を改築したとのことで、カフェとギャラリーの1階、レジデンス(?)にも使える2階があり、2階までいたるところに作品が飾ってあったのが印象的だった。
フランソワさんの作品は水戸芸術館のショップで絵葉書を見たことがあるくらいで初見。日本画風の画面ですが、部分的に色を置いたり油をのばしてくるくらいでほとんどが鉛筆での描画とのこと。そこだけ見てもなかなか面白いのだけど、モチーフに動物(主に虎)を使っていて、例えばどら焼きならぬ皮が虎の毛皮になっている「とらやき」や柏餅の柏葉に包まれて合間見える中身がやはり丸まった虎になっていたり、十五夜で備えられた団子の山がうさぎの頭の山だったりというのがユニーク。もちろん日本画のスタイルにおいてモチーフの面白さを狙った作家としては、古くは伊藤若冲、新しくは村上隆会田誠などいるわけですが、虎に徹底している感じや常にかわいさが同居している画面構成が作家性高くて好印象でした。